スペシャル インタビュー

畑山▶神戸市で不登校児童の支援や未成年者のカウンセリングを行っている特定非営利活動法人アライブワンさん。まずは、屋号に込めた西尾代表の思いをお聞かせください。

西尾▷「Alive」は「生きる」という意味です。今はさまざまな悩みを誰にも相談できず、時には命にかかわる決断をしてしまう子どもが増えています。「もっと自分の命を大切にしよう」と、私はこの屋号を通じて子どもたちに伝えたいんですよ。また、Aliveには「賑やか」「わいわい」という意味もあるので、学校へ行けない子どもたちに楽しい時間を過ごしてもらいたいという思いもあります。そして、そういった子供たちに命の大切さ、「命は一つ」という思いを込めて最後に「ONE」と付けました。

畑山▶西尾代表の思いが伝わってくる屋号です。ぜひ、対応エリアや事業内容を詳しく教えてください。
西尾▷私たちは神戸市兵庫区を中心に活動しており、子ども支援事業として、まず「FREE SCHOOL あらいぶ」があります。学校に行けない、もしくは行かないことを選択した子どもが、日中に集まって勉強したり遊んだり自由に過ごせるフリースクールです。

畑山▶学校に行かない子どもでも、同年代の友だちや西尾代表のような大人と触れ合える場がある。これは子どもにとっても親御さんにとっても嬉しいことですよ。

西尾▷ありがとうございます。このFREE SCHOOL あらいぶにカリキュラムはありません。大人が決めた時間に沿って生活するのではなく、今日の自分の日程を自由に決められるんですよ。だから「勉強は午後からにして昼まではゲームをしよう」でもOKです。

畑山▶ゲームをしてもいいんですか! そこまで子どもの自主性を重んじるシステムにしたのは、なぜなのでしょう。
西尾▷私たちのスローガンは「"できた”を増やして、自信につなげる」です。今はできないことがたくさんあっても、このスクールでいろいろなことにチャレンジし、できるようになって自信をつけてもらい、社会に出た後の人生で糧にしてもらいたいんです。色々なことに取り組むきっかけを用意し成功体験を積み重ねて欲しいんです。

畑山▶確かに、自分のやりたいことに挑戦できるフリースクールだと、子どもの潜在能力を引き出せるかもしれませんね。

西尾▷ええ、私は学校に行けないことを恥じる必要はない、子どもたちに自分の力で自信をつけて社会で活躍してほしいと願っています。

畑山▶本当に見事なご活動です。ほかには、どのような事業を展開しておられるんでしょう。
西尾▷あと「DERIVERY(デリバリー)すく~る」というサービスを展開してます、家庭教師に近い感じですね。こちらではスタッフが自宅にお邪魔して不登校の子どもと一緒に過ごします。このサービスの目的はなるべく子どもを外に連れ出すことなんです。時間中は勉強をしてもゲームをしてもいいし、公園で(軽運動)遊んだり買い物(おつかい)を手伝ったりして、外出できるようになったらフリースクールの通学につなげてきたいんです。

畑山▶なるほど、少しずつ外に出ることからサポートしてくれると、助かる方は多いでしょう。子どもを温かく包み込む西尾代表。今後のご活動がとても楽しみですよ。
西尾▷ありがとうございます。私たちは多彩なプログラムで子どもたちの個性を伸ばせる居場所を提供し、スタッフが寄り添って心と身体をサポートします。そして、お子さんの学びや成長を支援し「わかる」「できる」へ導きます。そのためにも、子どもの支援を通じて同じ志の学生さんやボランティアの仲間、スタッフも募集中です。

このほか、「TEENS CONNECT」といったカウンセリング事業を手がけています。最近の子供たちは良い意味でも、悪い意味でも行動力が早いと感じる事があります。メディアでは未成年のネガティブなニュースのたびに、相談ダイヤルのパネルを掲げますよね。でも、今の子供たちは電話する世代じゃないし見知らぬ大人に相談できるとは思えなくて、それなら彼らの
必需アイテムスマホからLINEを使った「中高生が集う心のプラットフォーム」LINE相談をはじめたんです。

畑山▶悩みを抱えているのに、助けてほしいと言えない子どもも多いはず。西尾代表の力で一人でも多くの子どもを救ってあげてください!本日はありがとうございました。
今後のご活躍を期待しています。